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シナリオを分解してみる

シナリオについて勉強します。書きながら私の考えをまとめます。真夜中に。

題材:Askシナリオ『ゴブリンの洞窟』

まずこのシナリオを解析するとき、あなたはどうしますか? 今日は私の方法で行きます。まず分解してみましょう。

1.見張りのゴブリン
2.ホブゴブ暗殺
3.決戦
4.奥の宝箱

これでシナリオの要素は全部です。大まかですが。

これらのイベントを盛っていればシナリオとしてどんな形式でも『ゴブリンの洞窟』は成り立ちます。つまり、極言してしまうとゴブリンの洞窟において、ゴブリンの洞窟のダンジョン構造は必要ありません。これ、とても重要なところです。

例えば、じゃあ、拙作『冒険者の宿で』の赤塔迷宮のような「一本道ダンジョン」でもこのシナリオが成り立っているのが分かりますか? 1~4の順に並べて、イベントを起こしていけばいいわけです。2,3の並列部分は、脇道にそれるイベントでも作ってしまえばいい。想像できますよね? (クエストを思い浮かべて!)

また逆に5×5の広大なダンジョンを作ってイベントを配置してもいいわけです。2、3を並列に起こせるダンジョンなら可能です。1、(2,3)、4と辿れるダンジョンを作ります。

さあ、もっと過激に行きますよ。これ、読み物でも成り立つのが分かりますか?1,2,3,4の順に書いていけばいいのです。「冒険者たちはホブゴブをムギュして、元来た道を戻った」って感じで書いていけば。

つまりカードワースシナリオはイベント――というとゲームっぽくて読み物じゃ通じなくなっちゃうので、"できごと"って書きますけど――できごとをつなぎ合わせてできているんです。簡単ですね。

さて、問題は、じゃあどうやって作るかということです。これではシナリオを分解しただけですから。

シナリオというのは、大まかに作って、そこを更に細かく分けていくのが簡単です。

・ゴブリンを討伐して帰ってくる。

これがゴブリンの洞窟の一番簡単なモデルですね。

↓分解
・親父さんとのオープニング
・ゴブリンの洞窟のフィールドとそのイベント。・・・*
・親父さんとエンディング

*を分解して(想像力で!!)
・見張りをどうやって倒す?
・大いびきのホブゴブリン暗殺
・最終決戦
・ゴブリンが宝を集めているかも。

もっと分解できますよ。
・依頼を出した村はどんな様子?
・ゴブリンの巣窟が分からないなら、街道沿いの森でその探索。
・ゴブリンに襲われた荷車から貴金属が!

ってな感じです。こうやってイベントを考えて、後はシステムでつなぎます。

これは複雑でないモデルをもつシナリオの話です。「賢者の選択」ではモデルはもっと複雑です。でもやり方は同じ。気が向いたらやってみてください。

空想分解できるようになると、かなり隙のない「賢者の選択」も、もっと緻密に書いていくことが可能になります。石棺の中のトンネルを潜り抜けるとき、冒険者たちは「石棺の中に入るなんてぞっとするぜ」なんてごちたりするかも。(ただ緻密に書きまくるのが最善ではないので注意。)

さて、これ以降は読み物の話になりますよ。

最初に言っておくと、私はシナリオ製作の難しさは読み物が一番だと考えています。実際普段の読み物シナリオの製作のほうが『冒険者の宿で』とか『蜘蛛退治の依頼』とかより手間がかかるからです。そうはみえないかもしれませんけど。あくまでも私の中だけの話ですよ。他の方の制作方法についてはちょっと分かりません。

前置きよし。

じゃあ、何故難しいのか説明しますね。

読み物というのは、一つながりになっていないといけません。つまり、できごととできごとの間に亀裂があってはいけないのです。

ダンジョンを導入した場合、そこの描写を全部カットできます。つまり、プレイヤーに方向メニューを押させればいいわけです。同じ時間で読み物はメッセージコンテントを使う。そこが読み物作者の腕の見せ所の一つなんです。が、これがなかなか手間がかかるんです。ここを上手く作ることでシナリオの雰囲気とバランスを保つことができるのですが。地味ですけど。地味すぎて気がつかないくらい。

この『時間』に関する話は、こちらの記事に詳しく書きました。

時間経過やリズムに関する面白い話
4:30くらいから時間の話になります。すごく興味深い。

文章というのは『移動』のような無意識部分を排除するのにむしろ有効です。『冒険者たちは依頼を受けて洞窟へ行った。帰ってくるころには日が暮れていた。彼らの顔は満足感に満ちて、宿の亭主はすぐに彼らが依頼を完璧にこなしたのだと分かった。』と書けば、ゴブリンの洞窟は終了します。最初と最後の点を同列にくっつけただけです。これでも文章的に特に問題はありません。その文章だけ見れば、の話ですけど。

要するにリズムです。前後との同調を考えなくちゃいけない。その中で、これを緻密に書くのかすっ飛ばして書くのかという、距離感の問題も出てきます。面倒くさいでしょう?

面倒くさい読み物ですが、読み物シナリオの決定的なアドバンテージは、そうしてコントロールした時間を使って、本当に表現したいものを強烈にできるところです。探索シナリオでは描写はただの説明であり情報の提示ですが、読み物シナリオでは意味を持って浮かび上がります。浮かび上がって来なければ書いた意味がないからです。魔力が乗っているのです。乗っていなければダメです。

さて、ここからは批評になります。

カードワースでこういう距離感について意識して作っている方はいません。カードワースの読み物はまだ、やはり漫画や映画的な、台詞と説明の上にしか成り立っていません。これは『教会の妖姫』という素晴らしいシティアドベンチャーシナリオが最初にあり、そこから派生して読み物が生まれたからだと思います。逆に言うと、距離感を補えるたくさんの方法がカードワースには用意されているということにもなります。それだけ柔軟性に富んだ、優れたシステムなのです。そのことを『教会の妖姫』は証明しているのです。

私も、書いておいてなんだけどこればっかりは上手にできている自信がないです。そこにあるものを書くので精一杯です。修行中です。

いつか、無意識ではなく意識的に距離感を制御できる、変幻自在の読み物シナリオ製作者が出てくることを私は夢見ています。できごとを繋げるだけじゃない繊細なシナリオが見たい。バケモノ読み物作者、出て来い! ……でも、たぶん地味すぎるでしょう。うん。
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