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映画百日紅をみました。

まったくカードワースと関係がないのですが、とてもよかったので! 広告も消せるし。

原恵一監督の百日紅を見てきたんですが、とても満足できました。
この日はセッション〈2回目)と百日紅の二本立てで映画館を梯子したんですが、暑い中走り回った甲斐がありました!


 原恵一監督は私がずっと前からお気に入りの映画監督で、クレヨンしんちゃんの時から始まって、河童のクゥはもちろん、最近のはじまりのみちは整斉、端正な作品でとても素晴らしいと思いました。そんな方の最新作なので、こいつは映画館に見に行くっきゃないと思いまして見てきたんです。
 映画館の客入りは、50人定員のミニシアターだったので、満員パンパンで立ち見の方もいました。子供はいなかったですね。映画館の会員らしい老年の夫婦が半分くらいで、あと若い女性がけっこういました。券を買うときに見上げると原監督のサインが! 携帯でパシャッと一枚とりたかったんですが、へへへ。さすがにやめました。

 さて、映画のほうはというと、まず冒頭の場面。橋を行き交う人々の画が映るんですけど、びっくりしましたね。絵が!絵が動いてる!って感じです。橋といっても、川から左右に伸びる橋ではなく、橋の上にいる人間の目線で、道が通るずっと先の方まで、あの江戸ッ!っていう人の密度でみっちりと行き交っていて、そいつが奥までぬるぬる動いてる。私はほとんどアニメ映画を見に行かないので、たまに行くと映像にびっくりしちゃいます。
 って、冒頭のシーンだけで書きすぎました。とにかく江戸の風俗も楽しめるし、葛飾北斎演じる松重豊さんの味わい深い演技も楽しめるし、一本筋の通った主人公のお栄と一緒に江戸を回りながら、そこに生きてる人を見るのはとても楽しいし、素晴らしい体験だと思いました。
 演出もすごい良くて・・・全部書いてると火を噴きそうなので、好きな場面だけ。
 お栄の父、葛飾北斎が行く当てもなくふらふらと江戸の町をあるいて、見晴らしの素晴らしい饅頭屋でもそもそ饅頭を食べていると、となりで母娘が草だんごを食べているシーンがあります。北斎が見ていると、母親は娘にだんごを食べさせています。だんごをたべてうれしそうなな娘を見て母親は自分の分も食べさせてあげます。幸せそうな娘の姿をみて、母親も幸せそうです。
 このシーンで、観客は北斎の娘の「お猶」について、病が重くて、しかし北斎はうまくお猶と接することができないということを知っています。そして、この母娘のふれあいの場面にふと目を落とす北斎を見ると、僕ははっと、この人はあのとても見晴らしのいい饅頭屋でまんじゅうを食べながら、景色も見ないで実は娘のことを考えているのだろうと思わされました。
 彼の娘のお猶の病気は、失明を伴うもので、画狂の北斎にとってそれは致命的です。彼はほとんど絵のためだけに生きて、自分の絵師としての完成のために100年でも生き続けたいと思っている男なのです。しかし彼は娘に対して何も思っていないわけではない。葛飾北斎は自分の中に深い業を背負っている男です。
 自分の身のためだけを思って娘を避けてしまう己の業との葛藤は、そのあとお猶に会いに行くところで最高潮に達します。お猶が北斎の顔を「見る」ために、手を伸ばして直に顔に触るのです。そのときの北斎のぞっとした心。そして娘の完治を祈願して必死に描く苦しみは、筆舌に尽くしがたいですね。筆舌に尽くしがたいから、映画にするんですよね。
 と、いうような感じで、もうとにかくシーン一つの多重性、多層性が素晴らしく、「上手すぎる、上手すぎるだろおお!」と心の中で叫んでいました。

 後ろの席の爺さんがいびきかいて寝てたので、あんまりそういう演出とかピンとこない人には退屈な映画かもしれません。でも、僕にとってはこういう積み重ねでだんだんポイントを奪っていくタイプの映画はどストライクでした。寒つばきをそっと両手で包むシーンも病という冷たい境遇に曝されてもここだけは暖かだと思わせるし、甘酒屋で子供のふれあいをじっと見ているお栄も、「そうそう! 子供を見る時ってこんな感じ!」って。最後のシーンもこの話がどういう話だったのかという、ポイントをずしっと押さえているし、江戸の風景が現在の風景と重なる場面で、ああこの映画は単なる江戸アドベンチャー体験ではなくて、僕らと一緒なんだな、同じように生きているんだなと感じられて・・・ああ! もういいっすね。
 
 百日紅を見てない人は人生損しています。あとセッションもお勧めです。バードマンもいいです。ワイルドスピード・スカイミッションもいいよ。映画館楽しいです。
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コメント

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No title

今のところどんなシナリオを構想中ですか?
できればクロスオーバー系がいいなと思ってます。

Re: No title

>everwoodさん

コメントありがとうございます。ちょっとブログを放置してしまいました。すみません。

次のシナリオ・・・そうですねぇ。いちおう今シナリオ製作中なんですが、遅々として進まず・・・。とりあえず作りたいアイデアはいっぱいあるんですが、どうやって形にしようかと悩み中です。クロスオーバー・・・もいいですね。

まあ、才能ある人と違って、作りたいからってポンとできるわけではないので、のんびりやりたいなと思っています。
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あまり書きたくないんですが、厄介な時代なので。
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